突然ですが、
今、日本で一番「裏の裏」のことを歌っているバンドを知っていますか?
そうですね。パスピエです。
今や邦楽ロック好きに知らない人はいないであろうパスピエの溢れる魅力と、その裏に備えている独特さについて語らせて頂きたいのです。
ライブやフェスでフロアの前線にしがみつくパスピエファンの彼彼女たち(僕を含む)の中にも、一直線にパスピエ愛を掲げてきた者もいれば、これからお話しする独特さと向き合い、潜り抜けてきた者もいるはずです。
3つの問題に分けて紹介します。
①「とおりゃんせ」と他の曲、雰囲気が違すぎる問題
パスピエの代表曲といっても過言ではない曲に「とおりゃんせ」という曲がある。
童謡のようなメロディがスローとミドルの間くらいのテンポでキラキラと展開されるとてもポップな曲であり、ギターやドラムのサウンドとしてはロックのようでもある。
日本人が細胞レベルで聴きなれている童謡チックさがありながら、他のバンドでは聴きなれない雰囲気があり、「とおりゃんせ」には、初めて聴く人の心を掴む力がある。
「この曲から入った」という人も多い。
ところがだ。
例えば、Youtubeなどでこのキラーチューンに偶然出会って、「とおりゃんせかっけー!」とか「かわいい!」とか「斬新!」とテンションが上がり、「こういう音楽やってるバンドがあったのか!このバンドすげえぞ!」と他の曲を聴いてみると、
「とおりゃんせ」のような雰囲気の曲はない。
とおりゃんせでパスピエ道の門を叩いた人の中には、面食らった人は多いのではないだろうか。
もちろんこの曲にはこの曲の、他の曲には他の曲の「パスピエらしさ」というものは存在していて、触れていけばいくほど気付いていくバンドの「芯」みたいなものがある。
②ボーカルの動き独特すぎ問題
「よっしゃいいバンド見つけた!」と意気込んでチケットを握りしめてライブに参加すると、ある事実を目の当たりにする。
ボーカルの動きが独特すぎるのだ。
曲に合わせて、振り付けといっていいのかダンスといっていいのかわからないが、ボーカル 大胡田なつきがステージの上で日本舞踊のような舞いを踊るのである。
それは曲の世界観を視覚的に体現するように。あるいは炊き立てのご飯にかけた鰹節のように。
「歌」以外の表現方法を彼女は持っているのだ。
この事実は、受け入れてしまえば、見ていて楽しいし、盛り上がることができるし、衣装と相まって綺麗だと思うようになるはず。洗脳的な感じに。
(衣装にはこだわりが見られて楽しい。)
③顔が想像と違う問題
今でこそメンバーの顔をMVやメディアで露出しているが、少し前までは隠していた。
宣伝の時には発売されるCDで顔を隠し、フェスの映像では撮影のアングルで顔が映らないような配慮がされた。
「MATATABI STEP」のMVでさえ「顔が映ってる!」と驚いたくらいだった。
顔面不詳という形で活動していたのだ。
そんな状態で「フィーバー」やそれこそ「とおりゃんせ」などのMVのように、ボーカルの彼女にかわいらしい動きをされたり、楽器隊のシルエットのクールな演奏シーンを観せられようもんなら、強制的にメンバーのルックスへの妄想が膨らんでしまうってもんである。
勝手にリスナーの中の「かわいい」や「かっこいい」を当てはめてしまうのだ。
そうなってくると、いざライブに行ったり、最近のMVを観て、「思ってたのと違う!」という身勝手な現象が起きてしまうのである。
もっとも、 ライブが終わるころには、目を閉じて片手を額に当てるナリハネの姿すらイケメンに見えてしまうだろう。
むすびに
パスピエふつーにポップだしかっこいいしかわいいし楽器隊上手いし誘い声だしで好きなんですが、思いつきでこんなネタ的な角度の記事を書いてしまいました。
あなたもどんどんパスピエの深みにハマって、一緒に金色の街を探しに出かけましょう!